今となっては有名になった歌手と面識がある、というと「すごい」と返ってくるのがほとんどです。
それほどまでにテレビで観る華やかな世界は憧れに満ちていて、タレントや俳優になりたいと思った経験が一度くらいはあるでしょう。
歌手になるためには芸能界しかないと思っていたわたしに、もし子どもができたとして将来「芸能界に入りたい」と相談されたら。
あなたが親なら応援しますか、それとも反対しますか。
突飛な世界に入りたがる子どもを持つ親へ、わたしが考える絶対的に正しい基準を書いていきます。
頭ごなしに反対しない
子どもを反対し夢を潰す親は最低です。
頭ごなしに反対して道を閉ざす資格なんてものは、親にさえ存在しません。
子どもの人生は子どものもの、親が決めた道以外を邪魔するなんてもってのほかです。
確かに、芸能界は危ない世界です。
まともな人ならやめてほしいと願う気持ちが、今となっては良くわかります。
しかし、足を踏み入れてほしくないからといって感情論のみで押さえつけても、本当にやりたい子どもは勘当されても家出をしても夢へ向かおうとします。
ダメだと諭して納得できる夢なら、最初からたいして「なりたい気持ち」などないのです。
わたしは頭ごなしに反対されたタイプなのでわかるのですが、子どもは親に聞いてほしいから相談をするのです。
「どうしてやりたいの?」
「その夢を叶えてどんなことがしたいの?」
質問したり一緒に考えてくれることで、子ども自身も頭の中を整理できます。
親の役目は、夢を掬うお手伝いをしてあげること。
結果的に目指すか岐路を変更するかを決めるのは子どもです。
やっぱりやめたとなれば新たな夢を探せばいいし、それでもやりたいなら次の段階に入ります。
芸能界の怖さを教える
反対せずに理解を示すからといって、無条件に行ってこいと送り出すのは責任放棄です。
芸能界に入りたいと相談されて、どうしてもやりたいとなったら、自分が持っている情報と調べた情報を徹底的に伝授します。
芸能界は恐ろしい世界です。
なにも知らないまま挑むにはあまりにも危険で、お金をむしり取られてしまう特殊な世界だからです。
一見すると華やかで美しいので興味をそそられますが、一般人の目に映らないところでは地味で過酷な試練が待っています。
レッスンはもちろんですが、もっとも苦労するのは金銭面です。
芸能界への足がかりとしてたくさんの人が受けるオーディションは、ほとんどがお金集めの詐欺です。
すでに合格者が決まっている出来レースも多く、売り出したい人材に注目を集めさせるために開催されているに過ぎません。
何百・何千人の中から選ばれた逸材として注目させられる上に、一般受講者から参加料を取れば儲かる仕組みです。
オーディションに受かったと喜んでいたらお金を要求された、そんな事務所も詐欺です。
宣材資料作成費・CD制作費・プロモーション費・広告費…
これらを請求してくる事務所はすべて怪しい会社です。
きちんとした事務所は合格率が低く、本当に才能を見出された人しか受かりません。
磨けば光る原石を発掘するのがオーディションの目的です。
決して安くはないコストをかけて世に出す人材を磨き、活躍させるために事務所がある。
売れてきたら中間マージンとして回収するのが正しいやり方で、最初から費用を要求してくるのはおかしいのです。
そこを見抜ける目を持って挑まないと、いつになっても消えない悪い大人たちの餌食にされてしまいます。
知識を持たずに立ち向かうには、裸で戦に出るのと同じくらい無防備で危険な世界です。
送り出す前提で怖さをしっかりと理解してもらうために、誠心誠意をもって真剣に、ひとりの大人として会話をします。
ここでもやるかどうかを判断するのは子どもなのです。
お偉いさんに気に入られたあの日
わたしは歌や音楽が好きで活動をしていましたが、もう芸能界には入りたくありません。
金銭トラブルや搾取も平気で行われるし、芸能界独特の雰囲気に合わせることができませんでした。
この世界が理不尽なのは当たり前です。
お偉いさんに気に入られることがどれほど重要で素早い出世コースなのか、肌で感じた経験があります。
とある芸能関係の業界人に、気に入ってもらえたことがありました。
ある程度スキルを身につけてから挑んだ実力が評価されたのかと喜びましたが、実際はそれ以上に容姿が好みの部類に入ったと言っておられました。
手で追い払われいた人に混じって出て行こうとすると、お前は残れと手招きされたのです。
気に入らなかった者を全員排除し、気に入った数名の女性が彼の部屋へ呼ばれました。
実力はもちろんだが、同じ力の人間がオーディションを受けていれば、容姿が優れている方を採用する。
長年いるのにも呼んでもらえない人と、気に入られれば数ヶ月でも呼ばれてしまう人のいる世界。
そこで聞かせてもらった話には、業界人の本音と人間の本能が混じっていました。
積極的に話しかけ、甘い声を出して見つめ、すり寄り手を握る…
そうして名前を覚えてもらう。
これくらいのことを平気でやっている女性もいました。
ここでしっかりとコネを掴み、生かしていける人が活躍の手綱を取れるのです。
せっかく呼んでもらえた貴重な機会を、わたしは生かすことができませんでした。
日本の芸能界はコネでの結びつきが強いです。
わたしには芸能界でのコネがないので、二世のように簡単に芸能の世界へ入れてあげられません。
だからせめて、やると決めた世界を自分で渡れるよう、持っている知識と知恵のすべてを伝えます。
やってみないと向き不向きもわからない
真面目で正義感が強く、やりたいことが強くあってそれを通したい人には向かない世界です。
事務所やマネージャーの意向に柔軟に対応できなければ業界から干されてしまい、浮上が難しくなります。
どんなことでもやってやる、のし上がってみせる!といった気合いはもちろん、成功するためには、必要であれば人を蹴落とす覚悟も試されます。
いつどこで業界人が見ているかわからないので、容姿にはできる限り気を配ることも大切です。
芽生えた夢を否定することは、親として絶対にしてはいけないことです。
親への信頼が失われ、話さえ聞いてくれない絶望感を与えます。
夢に賛成はしますが、お金は自分で出させます。
芸能活動をして行く上で必要なスキルアップ費を親に出してもらっていた生徒は、ひとり残らず消えていったからです。
大学の学費や家賃などの生活費を出すのは親の管轄なので費用を出します。
芸能関係で強く思うのは、身銭を切った投資は真剣味が変わり、深い力になるということ。
わたしもそうですが、自分で経験してみなければわからないことだらけな世の中です。
夢を達成するためにも、可能性を潰すためにも、見つけた夢は早いうちから手を打ちましょう。
その夢で再起不能になっても、全力で立ち向かった経験は次の夢に確実に生かされます。
この記事を読んで、少しでも役に立ててもらえたら嬉しいです!
読んでくれてありがとう。
しゃなりぉー!(・ω・)/
オピニオンブロガーしゃなり
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